アフリカの気候に適し、多くの収穫が期待できる品種を開発するとともに、生産や流通の支援にも乗り出す。 新興国の経済成長で食料の需給が逼迫(ひっぱく)すると懸念される中、貧困国が多いアフリカでは食料の安定確保が課題となっており、政府は今後5年間で約2000万ドル(約19億円)を支出する方針だ。 日本は1994年、病気や乾燥に強いアフリカの稲と、アジアの陸稲を掛け合わせたアフリカ向けのコメ品種の開発に成功し、99年に「ネリカ米」と名付けた。新たな品種は陸稲よりも多くの収穫量が期待できるアジアの水稲とアフリカの稲を交配する計画だ。5年以内の開発を目指す。 政府と国際機関である「アフリカ稲センター」(本部・ベナン)、「国際稲研究所」(本部・フィリピン)が協力して開発にあたる。生産に適した場所の選定や栽培技術の研究も行う。資金は、世界銀行による開発援助を支援するために日本が設けている信託基金から出す。