宮内庁が保管している朝鮮王朝の儀典書「朝鮮王室(王朝)儀軌(ぎき)」など韓国政府が返還を求めている文化財について、日韓両政府は8日までに韓国側に引き渡すことで基本合意した。近く両国の外相が電話会談して最終合意し、双方の閣議決定を経る。 日韓関係筋によると、基本合意されたのは、朝鮮王室儀軌を含む複数の文化財。今週末に横浜で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に予定される菅直人首相と李明博(イ・ミョンバク)大統領の首脳会談でも、引き渡しを確認するとみられる。 朝鮮王室儀軌などをめぐっては、菅首相が8月、韓国併合条約100年にあわせて発表した談話に引き渡すことが盛り込まれた。その後、日韓で引き渡される文化財の範囲について協議が続いていた。 韓国政府は所有権が韓国にあるとの立場から「引き渡し」ではなく、「返還」とすることを強く求めていた。関係筋によると、引き渡しの表現をめ