イノシシへの注意を呼び掛ける奈良公園内の看板。芝が荒らされる被害も相次いでいる(4月30日、奈良市で)=枡田直也撮影 公園の景観悪化につながるだけでなく、イノシシが人に危害を及ぼす恐れもあるとして、公園を管理する奈良県は対策に頭を悩ませている。 県奈良公園事務所によると、被害が増えたのは最近2年ほどで、広さ約660ヘクタールの公園は各所で芝がめくれ、地面がでこぼこになっている。特に西側の東大寺南大門、 転害 ( てがい ) 門周辺で被害が目立ち、数メートル四方に及ぶ部分もある。イノシシが地面を掘り起こし、ミミズを取っているのが原因だ。 2016年度に周辺の山間地で捕獲されたイノシシは、15年度の2・3倍に上る約140頭。近年、山間地の広葉樹が甲虫の繁殖で枯死する「ナラ枯れ」が進む影響で木の実などが不足し、公園を餌場にし始めたらしい。お目当てはミミズやシカが好む公園内のドングリで、餌を与える
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