「ネオリベラリズムのもとでは、誰もが資本家の立場になり、起業する、あるいはスキルアップによって高い給料とキャリアを得ることが人間の幸せで目標だと思い込まされる。個人がバラバラにされて連帯できないから、社会も見えなくなるのです」 多忙な毎日を送る正社員の女性たちは、疲弊していて運動を起こす、連帯する余裕がそもそもない。一方、非正規雇用で家庭責任を背負わされる女性たちは、正社員の女性より差別的な待遇を受けているにもかかわらず、フェミニズム・ムーブメントは自分には関係がないと考えている。それは、地位向上が彼女たちにとっては現実味がなさすぎ、夢を描くことすら自分自身で封印しているからだ。 女性が女性を叩くことを促してきた そうしたより劣悪な立場に置かれながら、差別解消を求めない女性たちについて、菊地准教授は、「もし、声を上げた人を助けよう、という意識や文化が社会に根づいていれば、そういう人たちも声
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