私が、東日本大震災の取材を6年余り続ける中で、特に忘れられない被災した人たちがいます。このうち、3人の子どもを津波で亡くした宮城県の夫婦が震災前の家族の日常を描いたアニメーションの制作に協力し、各地で上映されています。震災から6年半、夫婦がどのような思いで制作に協力したのか、取材しました。(社会部記者 中島俊樹) 描かれているシーンの中心は震災の前、家族みんなで過ごした日常の風景です。 その後、動画は最後に実写に切り替わり、水平線が広がる映像とともに、この言葉で締めくくられます。 「東日本大震災の犠牲者は、関連死を含めて※2万1千人以上。そのひとりひとりと家族に、あの日まで、穏やかな日常がありました」 (※その後、関連死が増え、ことし9月8日現在で少なくとも2万2031人) 完成したおよそ6分間のアニメーションでは、和紙で作られたかわいらしい人形が表情を豊かに変えながら動き回ります。描かれ