拡大 光州事件の負傷者らが運び込まれた病院の看護師だった安聖禮さん。犠牲者の写真は軍の暴力性を記録するため撮影されたという=韓国・光州市(写真の一部を加工しています) 韓国葛藤 光州事件40年(1) 韓国南西部の光州市で1980年5月、民主化を求める市民らのデモ隊を軍が弾圧した光州事件から今年で40年。市民に国家権力への激しい怒りを植え付けた事件は、後の民主化実現の原動力となる一方、社会を分断するしこりとして影を落とす。韓国の葛藤を追う。 (ソウル池田郷) 死亡直後に撮影された遺体の多くは顔や首元が生乾きの鮮血に塗られていた。被写体は銃剣で刺され、銃弾に撃ち抜かれて絶命した学生や市民。当時希少だったカラー写真は事件の凄惨(せいさん)さを生々しく今に伝える。 80年5月18日、光州市中心部に集まった学生や市民らが民主化を求めて怒声を上げた。鎮圧に乗り出した戒厳軍はデモ隊をこん棒で殴り倒しては