2月15日刊行となる『あなたのルーツを教えて下さい』に収録する《なぜ、「ともに」を体現する街を目指し続けるのか? 川崎、桜本を歩く》から、一部を抜粋して掲載します。 ※本記事では訴訟の内容をお伝えするために、差別文言を記載している箇所がありますのでご注意ください。 条例に基づき設置された、差別をなくすための公的施設 JR川崎駅から、工場の煙突がひしめく臨海部へと向かうバスに揺られ15分。キムチや総菜が並ぶ桜本の商店街から少し道をそれ、静かな住宅街を進むと、白壁二階建ての「ふれあい館」にたどり着く。玄関をくぐると、目の前の階段には、一段一段に「Welcome」「Chao Mung(ベトナム語)」と、様々な言語で歓迎の言葉が貼られている。 「ようこそ」と館長を務める崔江以子(ちぇ・かんいぢゃ)さんが朗らかに迎えてくれた。館内を歩いてみると、宿題に集中する子どもたちもいれば、ただそこでおしゃべり