安倍晋三元首相が遊説中殺害されたことは、それ自体世の中に大きな衝撃を与えたが、事件の背後に某教団信者だった家族の崩壊ということが関わっている可能性(しかもその某教団と安倍氏は浅からぬ関係があった)が示唆されてから、「政治と宗教」「国家と宗教」、もっといえば「いわゆるカルトにどう対処していくか」というようなさまざまな問題を惹起させた。 しかし、それとは別の「宗教的問題」も起きてしまった。それが元首相の「国葬」問題である。本稿執筆中の現在、市民団体、研究者、複数の自治体議会や、教団、超宗派の宗教者たちなど、多方面から国葬に対して反対表明されているところである(超宗派の宗教者の反対声明についての記事は、本紙8月24日号、9月14日号に掲載されている)。 近代日本における国葬については、宮間純一氏(中央大学教授)が『国葬の成立-明治国家と「功臣」の死』(勉誠出版、2015)という書物でその来歴を紹
前編では、米議会のフレイザー委員会(1977~78年)をもとに、旧統一教会が韓国朴正熙政権下でKCIAの庇護を受け、米国政治工作を展開してきたことを述べた。 ここからは委員会の「報告書」の結論と提言部分を中心に、報告書が教会の本質をどう見抜いたか、またその後の米国政治は旧統一教会とどういう付き合い方をしたのかを見ていきたい。 まず報告書はその「要約と提言」で、旧統一教会の「組織的特性」を端的にこう指摘している。 「文鮮明率いる統一教会や関連世俗団体は、基本的に単一の国際組織である。この組織は各部所の相互流動性、すなわち、人事・資産アセットを国際間で動かしたり、営利組織と非営利組織の間で動かすことで成り立っている」(387)ページ この分析ほど、旧統一教会の本質を射抜くものはない。今、自民党の多くの国会議員が統一教会の名称変更で、同一団体だという認識がなかったと言い訳している。政治家としてそ
講演する樋口英明氏=2021年年9月、福井市(C)Kプロジェクト2022 岸田文雄首相は8月下旬、原発の再稼働に向け「国が前面に立つ」意向を示し、原子炉の新増設や建て替えを進める姿勢を表明した。一方、経済産業省は、電力需給逼迫(ひっぱく)を背景とした安定供給や脱炭素化推進のため、既存原発の運転期間延長の法整備検討を開始した。こうした「原発回帰」の動きが強まる中、東京電力福島第1原発の事故後、初めて原発の運転差し止めを命じる判決を出したことで「原発を止めた裁判長」として知られる樋口英明氏に話を聞いた。(時事総合研究所代表 村田純一) 樋口 英明(ひぐち・ひであき) 大阪高裁判事、名古屋地家裁半田支部長、福井地裁民事部総括判事などを歴任。2014年5月、関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じる判決を、翌年4月には関西電力高浜原発3、4号機の再稼働差し止めの仮処分決定を出した。2017年
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