広島、長崎で被爆した京都在住の被爆者の子供らが平成24年10月に立ち上げた「京都被爆2世・3世の会」が被爆70周年にあたる来年、被爆者の体験集を発刊することを目指して聞き取りを進めている。これまで20人分の体験談をまとめた。「娘2人の結婚などを考え、被爆者健康手帳を取ったのは50歳を過ぎてから。娘たちにびっくりされた」と初めて明かす男性もいるなど、貴重な証言の掘り起こしが進んでいる。(飯塚隆志) 初めて体験を語ったのは、長崎の爆心地から40キロ離れた針尾海兵団兵舎にいた男性(86)。衛生兵として被爆4日後から長崎市中心部で救護活動を行った。翌月から始まっためまいなどは今も続くという。 50歳を過ぎ、京都の病院で勤務した際に体調不良を訴えたところ、副院長に勧められて被爆者健康手帳を取得した。最近になって2世に対する健診制度を知って2人の娘に伝えた。「健診はめんどうくさいようなことを言っていた