<アメリカの対中強硬派は文化・教育面でも中国との関係を断とうとしているが、若い世代との接点を失うことは賢明でも生産的でもない。その理由とは> 親密な関係の解消を「デカップリング」と呼ぶ。現在の米中両国の地政学的バトルを形容するにふさわしい言葉だが、トランプ米大統領と政権内の強硬派は一歩進めて、この戦略で中国パワーをそぐつもりらしい。 デカップリングの始まりは一昨年来の貿易戦争だ。これで両国間の貿易は大幅に縮小した。今は情報通信技術が主戦場で、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)などの中国企業を次々に排除しようとしている。アメリカ市場に上場する中国企業に対し、過去の監査記録を開示しなければ上場を廃止するとの意向も示しており、金融のデカップリングも始まっている。 経済面の関係遮断で中国を封じ込められる保証はない。が、いちおう理屈は通る。中国がアメリカとの経済関係で潤っているのは事実だから、