「はっきり言って、日本の子育ては罰ゲームを超えたデスゲームのレベルである」(海猫沢めろん)。近年注目を集める子育て問題が、なかなか解決に向かわないのはなぜだろうか。話題作『キッズファイヤー・ドットコム』がたどり着いた到達点とは? 運命が運んできた試練 時は2015年、場所は新宿歌舞伎町。 ホストクラブBLUE☨BLOODに勤務するカリスマホスト、白鳥神威(かむい)。 彼はある日の勤めを終えてマンションに戻り、自宅の前に置かれたベビーカーを発見する。フードを上げてみると、なかにいたのは見知らぬ乳児。添えられたA4ノートの切れ端には、こんなメッセージが書かれている。 「神威さまへ よろしくお願いします」 彼は赤ん坊を自宅に運び入れ、それまでの人生で自身が行った、ありとあらゆるセックスの記憶をたどりはじめる。 「〔…〕アユミとのXmasセックス、春花とのお盆のセックス、茉莉花との夏フェスのセック