イギリスの欧州連合(EU)離脱をめぐる交渉が11月25日に決着した。 両者は、離脱協定案などに合意し、イギリスが来年3月29日にEUを離脱し、少なくとも2020年12月まで現状変更を伴わない移行期間を設けることを取り決めた。 現在、ブレグジット問題の焦点は12月11日に離脱協定案の採決を行うイギリス議会の対応に注がれ、主要メディアでは依然として無秩序離脱に伴う経済や社会の混乱を強調する報道が目立っている。 しかし、筆者は「合意なき離脱」という最悪のシナリオが現実化する可能性は低くなったと見ている。 一体なぜか? 以下に説明したい。 決裂寸前からのシャンシャン合意 2016年6月に始まった離脱交渉のプロセスを振り返ると、絶えず交渉決裂の可能性と危機的状況が報じられ、その度に一山、一山越えてきたのがブレグジット問題だ。 あたかも、イギリスとEUとメディアが一体となって展開される「国際外交サスペ