根性論を押しつける、相手を見下す、責任をなすりつける、足を引っ張る、人によって態度を変える、自己保身しか頭にない……どの職場にも必ずいるかれらはいったい何を考えているのか? これまで7000人以上を診察してきた著者は、最も多い悩みは職場の人間関係に関するものだという。注目の新刊『職場を腐らせる人たち』から「根性論を持ち込む上司」についての事例を紹介・分析する。 どうすれば現実を見てもらえるかは難問 自覚がない人を変えるのは至難の業だ。われわれが変わらなければならないと自分で思うのは、何らかの不具合や問題が生じていると自覚したときだけである。その自覚がないと、わざわざ変わろうと思うわけがない。とくに年齢を重ねるほど、変化を嫌がるようになるし、自分を変えるのも億劫になる。 しかも、マニック・ディフェンスによって軽躁状態になりやすいのは、目の前の現実を直視したくなくて現実から逃避しがちな人である