本社をアメリカに置く外資企業グーグルは2011年、東日本大震災の発生直後から災害情報を取りまとめるなど、日本にとって非常に重要な役割を果たした(関連記事)。 「世の中の情報を整理して、使いやすくすること」を使命にしているグーグルが、震災当時どのように考え、動き、今にいたるのかを取材した本連載、第3回は「イノベーション東北」を担当する松岡朝美氏。 避難所名簿やNHK、朝日新聞、各通信キャリアに寄せられた、人々の安否情報をパーソンファインダーに集約し、検索することで人と人をつないだグーグル。その後、被災地からの依頼で各地にストリートビュー・カーを走らせるなど、現地で行動するなかで、復興を目指す人とサポートするスキルを持った人をつなぐプラットフォーム、イノベーション東北が生まれた。(以下本文、敬称略) 東北で「事業再生」を 「震災から1年以上の間、私は東北には関わっていなかったんです」 松岡はそ
5年前に発生した東日本大震災の被害を理解するため、Googleストリートビューが広く使われている。震災後、2011年7月から撮影がスタートし、その活動は今も続いている。現在のストリートビューには、過去に撮影されたものを参照する「タイムマシン機能」が盛り込まれているが、これも震災の爪痕を記録していく過程で生まれたものである。 「被災地を撮影する」とはどういう意味をもっていたのか? ストリートビュー プログラムマネージャー 大倉若葉氏 に話を聞いた。(以下敬称略) 「すべてを撮影してほしい」、被災地からの要望 震災が起きた2011年3月11日も、大倉はいつものようにストリートビューの撮影を行っていた。震災後、グーグル社内からは「現地を撮影すべきだ」との声が上がった。大倉をはじめとしたストリートビュー撮影チームは、すぐに検討を始めた。 「防災・建築の専門家は、すでに現地入りして撮影をしていたので
東日本大震災発生から、今年で5年を迎える。災害情報はもとより避難場所や安否確認の情報を伝達する手段として、テレビやラジオ、新聞といったこれまでのメディアに加え、Twitterやインターネットが多くの人々に利用されたことで「インターネットの力」が再認識されたことは記憶に新しい。 その中でグーグルは本社をアメリカに置く外資企業でありながら、発生直後から災害情報をいち早く取りまとめるなど、日本の被災者にとって非常に重要な役割を果たした(関連記事)。地震発生から2時間弱というスピードで、名前や携帯電話番号を入力することで安否情報を検索できる「パーソンファインダー」を開始し、グーグルマップをベースにした「避難所情報」など、自社の既存サービスを活かし情報を提供し続けた。 「世の中の情報を整理して使いやすくすること」を使命にしているグーグルが、当時どのように考え、動き、今にいたるのか、パーソンファインダ
Google では本日より、「Google 災害情報」の提供を開始します。 Google 災害情報は、Google 検索や Google マップで [ 地震 ] [ 津波 ] 等のキーワードや、[ 東京 ] [ 仙台 ] [ 宮城県 ] など、災害が発生した地域名などのキーワードで検索すると、検索結果の一番上に、災害についての情報を表示する新機能です。 (※ Google 災害情報は、気象庁が提供する防災気象情報に基づいています。地震発生時および、津波に関する警報・注意報が発令された場合に動作します。) Google 災害情報は、モバイルの検索、およびAndroid 版 モバイル Google マップでもお使いいただくことができます。モバイル検索はPC 向けと同様に検索キーワードに応じて、災害情報を表示します。 また、モバイル Google マップでは、地震等に関係ないキーワードで検索した
東日本大震災では、これまでに例を見ない形でメディア間の連携が行われた。YouTube や Ustream といったサービスにおいて、テレビのニュース番組が放送と同時に配信されたのである。 今回の震災では、これまでになく IT が役に立ったと言われる。だが、文字や写真が中心の情報だけではなかなか実感が人に伝わらない面もある。 東日本を突如襲った長く大きな揺れの後、多くの人々は不安に陥り、揺れがどこから伝わってきたもので、どの程度の被害があったかを知りたがったはずだ。 そんな時、震災がどれほど深刻なものだったかを、もっとも如実かつリアルに伝えていたのはやはりテレビ放送だった。 電気の通じている家々では大勢がテレビの前にかじりついていた。 屋外でも人々はテレビの前に殺到した。3 月 11 日、JR 渋谷駅に設置されたサイネージなどは一斉にテレビのニュースを流していた。飲食店に置かれたテレビの前に
3月11日金曜日。東日本大震災の直後から、六本木ヒルズ(東京都港区)26階にあるGoogle日本法人のオフィスの一角に、技術者など十数人のスタッフが集まっていた。小さなこたつ机を囲み、ひざを突き合わせる。「われわれに何ができるのか」――真剣な議論と開発の日々が始まっていた。 「いかに早くリリースするか」 オフィスを小走りで移動、リポDの山も こたつ机を囲んだメンバーの1人が牧田信弘プロダクトマネージャーだ。普段はモバイル向けGoogleマップを担当しているが、地震後はすぐに米国オフィスと連絡を取った同僚とともに、人の消息情報を登録・検索できる「Person Finder」の準備に取り掛かった。 Person Finderは、昨年1月のハイチ地震の際にGoogleが公開したシステム。昨年2月のチリ地震や今年2月のニュージーランド地震でも利用されている。牧田さんらはPerson Finderの
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く