菓子や清涼飲料に広く使われているサッカリンなどの人工甘味料には、代謝に関わる腸内細菌のバランスを崩して血糖値が下がりにくい状態にする作用があるとする研究結果を、イスラエルの研究チームが英科学誌ネイチャー電子版に17日発表した。 虫歯予防やカロリー摂取量を抑えるのに役立つ一方で、糖尿病や肥満といった生活習慣病のリスクが高まる可能性を指摘。別の人工甘味料のスクラロースやアスパルテームにも同じ作用があることをマウスの実験で示した。 チームはイスラエルの約380人を対象とした調査で、人工甘味料を多く摂取する人は摂取しない人に比べ、体重や腹囲の増加に加え、血糖値や糖尿病に関係する血液指標の上昇がみられるのを確認。少人数のグループやマウス実験で詳しく調べると、摂取量が多いと消化や代謝に関わるさまざまな腸内細菌のバランスが変化し、血糖値が下がりにくい糖尿病と似た状態になることが分かった。