![[昭和100年]小泉悠氏「ウクライナ戦争はクラウゼヴィッツ型への回帰」(2)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8323576ea4e8cee25e6ffa9013462d8cc2179444/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkei.com%2Fatcl%2Fgen%2F19%2F00702%2F041600039%2Ffb.jpg)
この記事の3つのポイント 安倍元首相の損失は大きいが、トランプ・石破会談は良い結果 トランプ氏の関税政策は自国民を苦しめ、友好国の経済にも打撃 ウクライナ戦争でロシア寄りの結論を出せば中国が動く可能性 トランプ大統領による第2次政権がスタートして1カ月以上が経過した。この1カ月の動きを評価してもらおうと、大統領補佐官(国家安全保障担当)を2018年4月~19年9月まで務めたジョン・ボルトン氏に取材を申し込むと、快く引き受けてくれた。実施したのは米東部時間の25年2月28日。ちょうどワシントンでトランプ氏とウクライナのゼレンスキー大統領が「第2次政権で後にも先にも最も重要な会議」(ボルトン氏)を開いている真っ最中だった。 ボルトン氏へのインタビューはニューヨーク支局時代に2回(20年7月10日付「ボルトン氏単独インタビュー 『10月にトランプ・金正恩会談も』 」、21年1月13日付「トランプ
大統領選挙で「泡沫(ほうまつ)」と目されていた無所属候補が、まさかの最多得票を獲得。それだけでも異例だが、憲法裁判所が投票結果そのものを無効として、選挙のやり直しを命じた。東欧のルーマニアで実際に起きた出来事だ。 11月24日に実施されたルーマニアの大統領選挙。トップに立ったのは、無所属で出馬したカリン・ジョルジェスク氏だった。極右かつ親ロシア派として知られ、得票率は22.94%。200万以上もの票を集めた。 初の女性大統領を目指す野党「ルーマニア救出同盟(USR)」党首のエレナ・ラスコニ氏(得票率19.18%)が2位に入り、現首相で中道左派の与党「社会民主党(PSD)」を率いるイオン=マルチェル・チョラク氏(同19.15%)は3位に沈んだ。 この結果は、ルーマニア内外に大きな衝撃を与えた。下馬評では、ジョルジェスク氏が勝つのはあり得ないと見られていたからだ。 ルーマニアのインスコップリサ
5カ月間なんと充電無料――。 中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)がタイで展開中の異例のキャンペーンが話題を呼んでいる。同社のタイ販売代理店が打ち出したのは、8月1日から2025年1月3日までの無料充電サービス。その背景には中国EV各社がタイで繰り広げている激しい値下げ合戦がある。 EV工場誘致を目指して、タイ政府が22年に振興策の「EV3.0」をスタートさせると、機敏に反応したのは中国系メーカーだった。このEV振興策は、将来のタイでの現地生産を約束すれば、生産に先立つ輸入車販売でも補助金の支給や輸入関税の引き下げといった支援が受けられる点が特徴。中国国内で抱える大量の在庫のはけ口を探していた中国EV各社にとっては渡りに船だった。 中国EVの進出は23年に本格化し、日本車のシェアが9割近かったタイ市場で、いきなり1割のシェアを獲得してみせた。24年現在は前年の2倍以上となる10社
米Amazon. com(アマゾン・ドット・コム)は2024年7月から8月にかけ、スマートスピーカー「Echo」シリーズの新機種を相次いで日本に投入し、利用拡大に力を入れている。 一方で、同社のハードウエアや音声アシスタント「Alexa」関連の事業で赤字が続いているとの報道が増えている。スマートスピーカーや音声アシスタントを売り上げに結びつけるのに苦戦しているようだ。解決策はあるのだろうか。 Echoの新機種を相次いで投入 AI(人工知能)技術を活用した音声アシスタントやそれを利用するためのスマートスピーカーが、いっとき大きな盛り上がりを見せた。ブームが沈静化して淘汰が進んだ今でもこの分野に力を入れ、トップを走っているのがアマゾン・ドット・コムである。 同社は現在も積極的にEchoシリーズの新製品を発表している。2024年7月9日には天気などを表示するディスプレーが搭載された「Echo S
北米は「世界で最も難しい市場」とされてきた。理由はその商流の特徴にある。戸建てでも集合住宅でも、最終消費者が空調を選んで購入することが多い日本とは異なり、空調が住宅の一部と考えられている米国では、機種選定の主導権は代理店や施工業者にある。加えて、米国は先進技術の導入にも消極的。省電力に有効で、ダイキンが得意とするインバーター技術の普及率は日欧が10割、インドでさえ6割だが、北米は2割以下と世界最低水準だ。 ■本連載のラインアップ(予定) ・ダイキンのアニマルスピリッツ アフリカ市場攻略の最前線を追う ・ダイキン、「もしトラ」危機も ルールメーキングで市場味方に(今回) ・ダイキン、2度飲まされた煮え湯 小出しの「竹やり作戦」やめた ・ダイキン、インド人首脳に託す新興国戦略 現地化戦略は第2幕 ・ダイキン、凡事徹底のどぶ板営業 戦略は二流でも一流の実行力 ・ダイキン、買収判断も事後報告 「カ
JR三鷹駅から徒歩約12分。すかいらーくホールディングス(HD)本社の目の前に、同社が展開する郊外型カフェ「むさしの森珈琲」の武蔵野西久保店(東京都武蔵野市)がある。ゆったりとくつろげるソファを配置した店内には、こだわりのコーヒーを飲みながら本を読んだり、談笑したりする女性客やシニア客が多い。 この場所には以前、ファミレスの「ジョナサン」があった。だが、近隣にあるジョナサンの店舗とのカニバリ(共食い)が懸念されたことからコロナ禍のさなかの2021年7月に業態転換した。 ファミレスからカフェに変わったことで来店動機も変化。食事をするだけでなく、店にいる時間を楽しむ客が増えた。ジョナサン時代からテラス席を用意していたが、「むさしの森珈琲になって目に見えて利用が増えた」と同社執行役員店舗開発本部マネージングディレクターの梅木郁男氏は話す。 数字でも転換効果がはっきりと出た。厚切りトーストなどを提
正常なオピオイド受容体の分布を示す人間の脳の横断面をポジトロン断層法(PET)でとらえた画像。最も多い部分が赤で、黄、緑、青の順に少なくなる。依存症治療薬のナルトレキソンは、オピオイド受容体に結合して働きを阻害することで効果を発揮する。(IMAGE BY PHILIPPE PSAILA, SCIENCE PHOTO LIBRARY) アイルランドのダブリンに住む俳優、オルガ・ウェーリーさんの体調は、新型コロナウイルスに感染してから数カ月間も悪化し続けた。会話もままならず、長時間集中することもできなくなり、50種類近い症状に苦しんだ時期もあったという。 何度も医療機関に通って治療を受けたが、症状は改善しなかった。だがその後、ウェーリーさんは有効な治療方法に出会う。オピオイド(麻薬や鎮痛剤として働く薬物)依存症の治療薬として有名な「ナルトレキソン」の低用量投与だ。 オピオイド依存症の治療では、
自動車の車体部品をアルミニウム合金で一体成型する新技術「ギガキャスト」を導入する動きが日本の自動車産業にも波及してきた。トヨタ自動車はこのほど、2026年に売り出す電気自動車(EV)にギガキャストを採用すると表明した。自動車の生産プロセスが大きく変わる可能性があり、サプライチェーン(供給網)に激震が走っている。 7月中旬、中国・上海で開かれたダイカスト(鋳造)技術の展示会を4年ぶりに訪れたUBEマシナリー(山口県宇部市)の岡本健ダイカスト営業部長は、想像を上回る光景を目の当たりにして驚いた。超大型のアルミダイカストマシンで製造した車体部品が展示されていたからだ。 アルミダイカストは溶かしたアルミ合金を高圧で金型に射出して成型する技術だ。その能力は金型を締め付ける力(型締め力)で示され、数字が大きいほど大きな部品を成型できる。上海の展示会で目にした車体部品は1万トン級の装置で成型されていた。
多くのアジア系移民が米国で成功を収めてきた。統計的にもアジア系移民は他の人種グループより高い教育を受け、より豊かな傾向があるという。だが依然として、東アジア系が米国の組織のリーダーとして注目される事例は極めてまれだ。とりわけ大企業や大学では、アジア系の中ではインド出身の人物がトップに出世しているケースが目に付くが、東アジアの日本・中国・韓国出身者は存在感がない。中国出身である米マサチューセッツ工科大学(MIT)のジャクソン・ルー助教授が慎重に分析したところ、いわゆる「差別」や「格差」とは違ったところに、大きな要因があったという。5カ国語を話すというルー助教授に、日本語で聞いた。 ルーさん、今日は日本語での対応をありがとうございます。中国出身ですね。 ジャクソン・ルー米マサチューセッツ工科大学(MIT)助教授(以下、ルー):はい、実は学生時代に日本語を専攻し、早稲田大学に留学したことがあるの
(決算特集での用語の使い方、全社共通の概況などは第1回を→「2023年3月期、自動車会社に吹いた追い風と逆風」) マツダは増収増益の決算発表を行った。印象としては、一連の新型コロナ禍に付随する諸問題をクリアして、ついに反転攻勢に入った形に見える。ただし、第6世代の車種が絶好調だった、2017年ごろの勢いにはまだ及ばない。 ベストイヤーの2016年3月期と比べてみると ということで基礎的なデータを見ていこう。 グローバル販売台数(カッコ内は対22年3月期、以下同):111万台(89%) 売上高:3兆8268億円(+7065億円) 営業利益:1420億円(+378億円) 営業利益率:3.7%(+0.4ポイント) 当期純利益:1428億円(+612億円) 数字を見る限り、前期(22年3月期)との比較では好調であり問題なく見える。あとは見る側がマツダの本来のポテンシャルをどこに置くかによる。 例え
【前回「CX-60の理想とハーシュネス対策は両立できるのか」から読む】 池田:クルマの「乗り心地」は、ハーシュネスだけで評価すべきじゃない、原点まで立ち返れば別の評価軸があるはず、というのがCX-60の足回りに込められた思想だということは理解できました。しかし、これは相当伝えるのが難しいですよね。 虫谷 泰典 操安性能開発部首席エンジニア(以下、虫谷):ちょっとインターナルな話でいうと、販売現場のボスクラスを集めて説明会と試乗会をやったんですよ。そうしたら、昨今メディアでご指摘いただいているように、突き上げがポンポン来るよねと。 彼らも乗ってそう感じたんです。でも、資料も動画も見せて丁寧に説明していくと、理解して、そういうことかと。 実際、そういう説明を聞いて乗ってみると、感想が変わるんです。「これはロングで走ってみたくなるよね」とか、「自信をもってお客さんに伝えます」みたいに。あの、クド
ホイールもハーシュネス対策に利いてくる 高原:それも効果はあると思います。あるいはダンパー、パネルの接点を変えるというのも一つありますし、ボールジョイントのフリクション(摩擦)という話もあります。問題となっているハーシュネスに対して、それらの寄与度がどのぐらいあるかを、明確に確認しようと思っていますので。あとはホイールの剛性なんかも効くのは確認してます。おそらくはどれか1つじゃないですね。 いろいろな手段があるというのは分かっていまして、弊害なく実現する方法を検討しています。先ほどのホイール剛性1つ取っても、剛性を落とすと今度はロードノイズがアップしたりする。いろいろな背反が出てくるので、そこはまだ鋭意、次のレベルに向けて検討しているという状況です。 池田:ホイールの縦ばねの話ですか。それがハーシュネスに関係あるわけですね。 高原:タイヤってまず路面と接するトレッド面があって、その次に空気
【前回「CX-60が世の中に提案する『良い乗り心地』とは?」から読む】 池田:人間の反射による補正能力は、横揺れよりも縦揺れのほうが高い。なので、クルマの動きを人間が反応しやすいものにして、さらに上下動に集約すると疲れにくいクルマになる。というお話を、マツダのエンジニア、虫谷さん、高原さんから伺っています。 虫谷 泰典 操安性能開発部首席エンジニア(以下、虫谷)人間の反射能力を発揮しやすいクルマをどうやって造るか、ということなのですが、姿勢反射のところも関係してきます。軟らかいシートと硬いシートを比べると、軟らかいシートだと、反射だけでは姿勢のリアクションが取りにくい。S字の切り返しなんかでは、もろに筋負担がきます。ぐっとこらえている状態って、つり革を握るほどではないですけど、腹筋とか背筋とか、いわゆる脊柱起立筋の周りの一番コアになっているところに結構な負荷がきています。だから姿勢反射で処
レカネマブは脳内でAβを取り除く抗体医薬なので、その投与によって進行抑制を臨床試験で示せたことには大きな意義がありました。数多くの製薬企業がAβを取り除く治療を試みてきましたが、ことごとく失敗してきましたから。「Aβ仮説は誤り」と言う人もいましたが、それはAβがアルツハイマー病の原因であるという仮説を、「Aβを標的にしたら治療できる」というところにまでなかなかつなげられなかったためだと思います。 「Aβ仮説」というのは1992年に英ロンドン大学の准教授だったジョン・ハーディーさん(現教授)がサイエンス誌に発表したのが最初です。彼は91年に家族性アルツハイマー病という、遺伝的にアルツハイマー病を発症する人たちを研究して、原因となる遺伝子の変異を突き止めたと発表しました。それがAβの元になるアミロイド前駆体たんぱく質(APP)の遺伝子だったのです。 私がアルツハイマー病の研究に関わるようになっ
起業家の支援事業を展開する米Yコンビネーターのギャリー・タン社長兼CEO(最高経営責任者)は、SVBの破綻直後にこうツイートした。 さらにタン氏は起業家に対し、政府へ窮状を訴えるべきだと強く勧めた。ツイートには公的な救済の道へと政治家らの目を向ける思惑がありそうで、「絶滅」の表現は割り引いて考えるべきだが、事態は確かに深刻だ。 SVBの場合は①スタートアップとの取引比率が高い構造で、②貸し出しの伸びをはるかに上回るスピードで預金が拡大していき、③その預金が急激に引き出されるという逆回転に耐えられなかった。この3つの流れはいずれも、銀行としては珍しくスタートアップ特化型であるために起こった。 だからといって日本が起業向け融資を控えるのではなく、バランスの取れた金融構造を探ることが必要だ。 まず、SVBにとってアキレス腱だった「預金が集まりすぎて困る問題」について見ていきたい。新型コロナウイル
1956年生まれ。東京工業大学科学技術創成研究院全固体電池研究センター長・特命教授。同大名誉教授。神戸大学理学部助教授を経て2001年に東京工業大学大学院・総合理工学研究科教授。11年にトヨタ自動車との共同研究で有望材料である「超イオン伝導体」を発見した。2021年から現職。専門は固体化学、電気化学。 全固体電池の研究開発は今どのような段階でしょうか。 菅野了次特命教授(以下、菅野氏):固体の電解質の素材を探す中でいくつか有望な材料が出てきて、基礎研究の段階では電池としての特性も良いと検証されています。そこから、産業界で電池に仕上げるプロセスの開発に入ったところです。基礎研究では、今ある材料からもう少し特性が良いものを求める研究を続けています。より高い電圧に耐えられるかどうか、(電極と電解質が接する)界面がきれいに密着し安定して動作させるためにどうしたらよいかなどを研究しています。 自動車
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