2016年に芥川賞を受賞した村田沙耶香氏著「コンビニ人間」の真の主役は、日本のコンビニエンス・ストアそのものだ。しかしなぜコンビニは、こんなに魔法のようにきらめいているのだろう? 「コンビニ人間」の主人公・古倉恵子は、コンビニで働く独身の36歳というブルーカラーな立場のため、伝統的な日本社会で居場所を見つけられずにいる。 しかしこの正統派ではないヒロインの物語における、本当の主役は彼女が働くコンビニだ。小さな生態系と呼ばれるコンビニは、顧客に必需品を提供するだけでなく、新しい喜びを吹き込む場所として描かれている。