1999年12月にNECと日立製作所のDRAM合弁会社エルピーダメモリ(当時はNEC日立メモリ)ができたときのことである(大変古い話で恐縮ですが)。私は、2000年2月にNEC相模原内のエルピーダ・プロセス開発センターに出向して、同様にNECから出向してきた技術者と一緒にDRAMのプロセス開発を行った。 そのとき、会社が違うと、仕事のやり方がかくも違うものなのかと驚いた。DRAMのプロセスフローは、500工程以上になるが、その各工程で使用する装置が違うとか、そのプロセスの毛色が違うとか、そういったことではない(もちろん、それも違うのではあるが)。プロセス開発の方針と言うか、哲学がまるで違うのである。 簡単に言えば(よく言えば)、NECは「均一性第一主義」であり、日立は「新技術優先主義」であった。悪く言えば、NECは「病的なまでの潔癖完璧主義」であり、日立は「新技術オタクの一点突破主義」であ
2008年のDRAM市場における「チキンレース」は勝者なしという結果に終わった――。半導体関連の市場調査を手掛ける米iSuppli Corp.は,2008年のDRAM市場をこのように評した(発表資料)。チキンレースとは,崖に向かって一斉に車を走らせ,ぎりぎりまでブレーキをかけなかったドライバーを勝者とする度胸試し。iSuppli社はDRAMメーカーの投資合戦をこのレースにたとえて「競合他社がゲームから降りるのを互いに期待したが,誰も降りず,誰も勝たなかった」とした。需要が減退する中で各社が生産能力を拡大し続けた結果,市場は供給過剰局面に陥り価格は大幅に下がって,携わるすべてのメーカーがダメージを受けたとする。 DRAM市場は業界全体として2001年は巨額の損失を出したものの,その後2006年までは利益を上げてきた。メーカー各社は設備投資を大幅に増やし,2007年の業界全体の投資額は2001
「今年は韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.から目立った発表が少なかった」。2007年12月10〜12日に米国ワシントンDCで開催された電子デバイスに関する国際会議「2007 International Electron Devices Meeting(2007 IEDM)」に参加したある国内半導体メーカーの製造技術者からこういう発言を聞きました。 実際,Samsung社の稼ぎ頭であるメモリ関連の技術発表だけ見ても,昨年との差は一目瞭然です。1年前の「2006 IEDM」では,Samsung社は惜しげもなく,新技術を次々と披露しました。例えば,2008年の量産化を目指した32GビットNANDフラッシュ・メモリ向けの製造技術の詳細や,競合他社を大きく上回る集積度を達成した512MビットPRAM技術を発表しました。このほかにも,2個のメモリ・セルを3次元方向に積層するフ
韓国Samsung Electronics Co., Ltd.は,これまで半導体景気の良し悪しに左右されずに投資を継続する戦略を採ってきた。圧倒的な生産能力を持つことでシェアを奪い,価格主導権を握る。その上でコスト競争力とマーケティング力で競合他社より優位に立つ戦略だ。これは,1990年代半ばに投資を止めたことで,シェアとコスト競争力を失い,最後にはDRAM事業から撤退していった日本メーカーを反面教師としている。Samsung社はこの戦略で,DRAMでトップ,NAND型フラッシュ・メモリでトップ,半導体企業の中でも売上高で米Intel Corp.に次ぐ2位という座を得た。しかし,大成功をもたらしたこの戦略が,2006年秋ころから上手く回らなくなり始めたようだ。 増産したメモリが供給過剰に 投資を継続したSamsung社は,その生産能力で他社を圧倒している(図)。加えて,同じ生産ラインでも,
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く