愛情ホルモンとして近年注目を浴びている「オキシトシン」が、自閉スペクトラム症患者の社会性障害を改善するという報告は以前からありましたが、体内でオキシトシンが放出されるメカニズムはわかっていませんでした。岡山大学は、それを明らかにしました。細胞膜で働くあるタンパク質が、オキシトシンの放出に深く関連しているということです。 オキシトシンは女性の出産に活躍するホルモンですが、母親や父親を見つめ合うことで赤ちゃんに分泌され、赤ちゃんは安心した気持ちになります。同時に親にも分泌され、幸せな気分になります。そのため「愛情ホルモン」とも呼ばれています。親子だけでなく、オキシトシンは他人との社会性においても重要な役割を果たすことがわかっています。自閉スペクトラム症の中核症状であるコミュニケーション障害、さらに、うつ病や不安障害にもオキシトシンの機能不全が大きく関わっているとも言われています。 岡山大学、オ
エリスリトールについて、血栓や脳卒中、心臓発作や死亡リスク増大との関係を指摘する論文が発表された/olyina/Adobe Stock (CNN) 砂糖の代替としてステビアなどの甘味料に使われている「エリスリトール」について、血栓や脳卒中、心臓発作や死亡リスク増大との関係を指摘する論文が、27日の科学誌ネイチャー・メディシンに発表された。 論文は米クリーブランドクリニック・ラーナー調査研究所のスタンリー・ヘイゼン氏らのチームが発表。研究の結果、糖尿病など心疾患の危険を伴う基礎疾患がある人は、血中のエリスリトール濃度が高い場合、心臓発作や脳卒中のリスクが2倍になることが分かった。 「エリスリトールの血中濃度の値が上位25%に入る人は、下位25%の人に比べ、心臓発作や脳卒中のリスクが約2倍に増大する」とヘイゼン氏は解説する。 研究室や動物で行った研究では、エリスリトールに血小板の凝固を促進させ
うつ病、自閉スペクトラム症、統合失調症......。多くの現代人を悩ませる発達障害や精神疾患について、原因解明や治療法開発のための研究が進んでいます。 今回は、前回の記事〈『多くの人を悩ませる…「ADHD」は「いつまで続く」のか? いったい「どんな人が当てはまる」のか? 』〉に引き続き、『「心の病」の脳科学』(講談社ブルーバックス)の中から「注意欠如・多動症(ADHD)」をご紹介します。 ADHDが生じるメカニズムについて、最新の4つの仮説があるというのですが――。 *本記事は『 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか』を一部再編集の上、紹介しています。 ADHDが生じるメカニズムとは?「4つの仮説」 (1)実行機能の障害――目標達成のために計画的に行動できない ADHD(Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder:注意欠如・多動
iPS細胞から作った神経の細胞を移植することで、脊髄損傷となってから時間がたった状態のラットの神経を再生させ、運動機能の一部を回復させることに成功したと、慶応大学のグループが発表しました。研究グループは将来、患者への移植を目指したいとしています。 この研究は、慶応大学の岡野栄之教授と中村雅也教授のグループが行い、国際的な科学雑誌に発表しました。 それによりますと、グループでは脊髄が切断されてから6週間たったラットに細胞の増殖などを促す特殊なたんぱく質を投与し、さらに1週間後にiPS細胞から作った神経細胞のもとになる細胞を投与しました。 その結果、新たに神経の組織が現れて損傷した箇所を超えて広がり、新たな神経回路がつながったということです。 また、後ろ足を数センチの幅で動かせるようになるなど、運動機能の一部が回復したとしています。 事故などで脊髄を損傷して体が動かせなくなったあと、時間が経過
この記事の写真をすべて見る がんの3大治療として手術、放射線治療にならぶ薬物療法。その進歩は目覚ましく、近年新しい薬が登場し、劇的に変化している。今回は、大腸がんの薬物療法の最新状況について、専門医を取材した。本記事は、2023年2月27日に発売予定の『手術数でわかる いい病院2023』で取材した医師の協力のもと作成し、お届けする。 * * * 2022年に開かれた欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、大腸がんの薬物療法に関して驚くべき臨床試験の結果が報告された。MSI-High(遺伝子の修復機能にかかわるが不安定になっている)タイプの大腸がんの患者に、新しい免疫チェックポイント阻害薬を投与したところ、8~9割の人でがんが消失したというのだ。 学会に出席していた愛知県がんセンター薬物療法部部長の室圭医師は、「まだ臨床研究の段階で、対象患者は非常に少ないのですが、もしかしたら一部の大腸がんでは
2022年8月10日で「新型コロナワクチン~子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方~」および「12~17歳の小児に対する新型コロナワクチン追加接種について」は「5~17歳の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方」に統合されました。ご確認ください。 「5~17歳の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方」 本件に関する問い合わせは、情報管理の観点から、FAXのみに限らせていただきますことをご理解いただけますようお願い申し上げます(対応には日数を要すること、個別のお問い合わせには対応できない場合もありますことを予めご了承ください)。 <お問合せ先> 公益社団法人日本小児科学会事務局 〒112-0004 東京都文京区後楽1-1-5水道橋外堀通ビル4階 FAX:03-3816-6036
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レーシック手術を検討している患者に対し、ものが二重に見える複視、ドライアイ、夜間の運転のしづらさ、そしてまれにではあるが慢性的な眼痛が残る可能性があると警告するガイダンス案が、アメリカ食品医薬品局(FDA)によって作成された。手術しても眼鏡が不要にならない場合もある、といった警告も含まれている。 アメリカでは毎年50万人以上が受けている ガイダンスが発効すれば、衝撃を受ける国民は多いだろう。アメリカでは、レーシックは一般的で安全な手術と考えている人が多いからだ。毎年50万人を超える成人が、視力改善のためにレーシック手術を受けている。 角膜を削って形状を変更するのが、レーシック手術だ。角膜は眼球の前面を覆う透明なドーム状の膜で、そこで集められた光が眼球後方の網膜に映し出される。レーシック手術では、まず角膜に切れ目を入れてフラップと呼ばれるふたを作成。そのフラップをめくり、角膜をレーザーで削っ
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米スタンフォード大学などに所属する研究者らが発表した論文「Wireless, closed-loop, smart bandage with integrated sensors and stimulators for advanced wound care and accelerated healing」は、創傷部に貼り付け、治り具合に応じて電気刺激で治癒させる電子バンソウコウを提案した研究報告だ。傷の早期治癒を促進し、傷ついた組織への新しい血流を増加させて瘢痕形成を減少させることで皮膚の回復を促進するという。 提案する電子バンソウコウは、電気刺激による治癒と治り具合を監視するセンシング
厚生労働省は22日、塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」を緊急承認した。専門家分科会が症状改善を早める有効性を推定できると判断した。緊急承認制度の適用第1号で、軽症者に使える初の国産飲み薬となる。12月初めにも医療現場で使えるように供給を始める。厚労省は100万人分の供給契約を結んでいる。輸入薬と異なり、国内生産で安定調達が見込める。12歳未満の小児、妊婦や妊娠の可能性があ
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がんを狙い撃ちする新しい治療法「光免疫療法」に取り組む医療機関が、兵庫県内でも拡大している。これまでは神戸大病院(神戸市中央区)が唯一行ってきたが、今年9月末に神戸市立医療センター中央市民病院(同)が初めて手術を実施し、県立がんセンター(明石市)でも既に治療体制を整備。体への負担が軽く、がん治療に革命をもたらすと期待される同療法のさらなる広がりに注目が集まる。(小尾絵生) 光免疫療法は米国立衛生研究所の主任研究員小林久隆氏(西宮市出身)が開発を主導。治療では薬で光に反応する物質を付けたがん細胞に近赤外光を照射する。ピンポイントでがんをたたくため、副作用が少なく、免疫を活性化する利点もある。「手術」「放射線治療」「薬物療法」「免疫治療」に次ぐ第5の治療法として期待される。 2020年11月、手術や放射線、抗がん剤のいずれの治療もできない頭頸部(とうけいぶ)がん(口腔(こうくう)がん、咽頭がん
後遺症とはWHO(世界保健機関)では「新型コロナウイルスに罹患した人にみられ、少なくとも2カ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないもの(通常はCOVID-19の発症から3カ月経った時点にもみられる。)」と定義しています。 後遺症が疑われる場合激しい運動や無理な活動は避けて、まずかかりつけの医療機関や保健所等に相談してください。かかりつけの医療機関がない、または、かかりつけの医療機関が後遺症の診療に対応していないなどの場合は、以下のマップやリストから医療機関をお探しいただけます。 以下のマップやリストの情報は、原則、各医療機関から回答いただいた内容をそのまま公表しています。情報の正確性は、臨時の変更や、個別の事情により詳細状況までは反映されないなど、必ずしも万全とは言えないことがあります。診療等の都合により、受診の希望に応じることができない場合もあるため、受診の前には必ず
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