昨日に続いて、『世界』1月号の論文にコメントします。木下武男氏の『ワーキングプアの貧困からの離陸』という論文です。 >格差・貧困社会にどう立ち向かうのか。2006年、深刻化する状況を背景に若者たちの異議申し立ての運動が台頭してきた。新しい世代のユニオン運動はどのような展望を見出しているのか。ワーキングプア層は職種別ユニオン運動を確立することができるのか。 というわけで、木下氏の持論の企業横断的職種別労働市場を実現することがワーキングプアの解決になるのだという論です。 このブログでも何回か指摘してきたように、市場メカニズムを信頼する経済学者と、木下氏のような反主流派の労働運動にシンパシーを持つ人々が、企業別労働組合に対して不信感を持ち、労働現象を基本的に労働力売買として純化する方向でものを考えようとする点で共通するのは興味深いところです。 木下氏が称揚し、そのすぐあとでその闘争史が語られる全
今年あたりから『ベジスイーツ』と言う言葉が聞かれるようになってきている。ベジとはベジタブル、つまり野菜をふんだんに使ったスイーツ、という意味だ。 ベジスイーツが一部ではやっている、と当サイトの企画会議で発言したら首を傾げられてしまったので参考になりそうな記事をとりあえずリンクしておく。 asahi.com ベジ・スイーツを甘く見るな! (2007/7/6) 流通業界ニュース ベジスイーツが人気(日経MJより転載) (2007/5/29) 首を傾げるのもうなずける。そもそもベジスイーツが野菜を使った洋風デザート、という定義であれば、カボチャやサツマイモを使ったデザートは昔から存在したからである。従来のパンプキンパイやスイートポテトとベジスイーツは何が違うのか。その辺のとこをブームの仕掛けとなったお店に行って調べてきましたよ。 (text by 梅田カズヒコ) ベジスイーツ火付け役のお店へ ベ
レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 整形外科の手術リストに、「野球肘」のお子さんが載っている。まだ中学生。 少年野球の元エース。 中学校に進級してすぐに肘を壊して、30度以上延びない。手術はできるけれど、 整形外科的には、もう野球は勧められないらしい。 たぶん子供なりに好きを貫いて、恐らくは賞賛の声を惜しまないコーチに恵まれて、 一生懸命頑張ったんだろう。残念ながら、そのコーチは勤勉ではあっても能力がなくて、 子供の肘は壊れてしまった。 善なる無能は邪悪に通じる 「好きを貫く」ことは難しい。好きであること、賞賛という強化因子があるだけでは まだ片手落ちで、「好き」に応した十分な才能に恵まれて、 さらにもう一つ、「能力」のある導き手につかないと、惨めなことになる。 無能で勤勉な人
2007年12月17日18:45 カテゴリ書評/画評/品評Love 赤木智弘たちに足りないもの - 書評 - 若者を見殺しにする国 昨日到着、即読了。 若者を見殺しにする国 赤木智弘 実に読ませる本。若者自身による若者論として必読の本。 だが、何かが足りない。 その足りない何かがわかったような気がするので、本entryではそれについて書く。 本書「若者を見殺しにする国」は、「『丸山真男』をひっぱたきたい」をひっさげて若者論壇に登場した赤木智弘が、それを拡張して一冊の本にまとめたもの。 目次 - 書籍出版 双風舎:【書籍一覧】より(余談だが、このページTBを受け付けてる。えらいぞ双風舎)。 Amazonのページの情報を元に補強 まえがき----赤木智弘とは、いったいどんな人間なのか 第一章 強大な敵としての俗流若者論 青少年の凶悪犯罪が増えているって? なぜ俗流若者論がささやかれるのか オタ
NHKスペシャル「ワーキングプアIII 解決への道」の感想 ※NHKスペシャル「ワーキングプア 働いても働いても豊かになれない」の感想こはちら ※NHKスペシャル「ワーキングプア 努力すれば抜け出せますか」の感想こはちら 07年12月15日放映のNHKスペシャル「ワーキングプアIII 解決への道」を見た。「海外のワーキングプアについて報道するらしい」という話を聞いていたから、「ああ、日本の話はだいたいやっちゃったので、『海外でも広がっていますよ』『海外ではこうしてますよ』みたいなやつかな」というヌルい想像をしていたのだが、「ワーキングプアI」と「II」をつくったスタッフの力を甘くみすぎていた。 そのような、学生のレポートみてえなボケた一般論ではなかった。 日本のワーキングプア問題がいきつく先が予想や推測の中ではなく、すでに「海外」という現実の中に存在しているということ、そして、日本のワーキ
「丸山眞男をひっぱたきたい」の反響は、単行本が出てようやく世の中に広がってきたようだ。ちょうどDankogai氏からTBが来たので、あらためてこのむずかしい問題を考えてみたい。 Dan氏の表現を私なりに言い換えると、赤木氏の表現はあまりにも否定的で、自分の置かれた状況を肯定するパワーが欠けているということだろうか。たしかに歴史的には、フリーターは「非正規雇用」ではなく、20世紀初頭までは技能をもつ職人が腕一本で職場を転々とするのが当たり前だった。請負契約を蔑視するのも間違いで、これは産業資本主義時代のイギリスでも19世紀の日本でも「正規雇用」だった。しかし第1次大戦後、重工業化にともなって工程が大きな工場に垂直統合され、職工を常勤の労働者として雇用する契約が一般的になった。いわば資本主義の中に計画経済的な組織としての企業ができたのである。 だが今、起こっているのは、この過程の逆転だ。か
ブログが更新されないだけでは生死までは分からない SNSやブログなど、ネットを介した人とのつながりが増えてくるにつれ、リアルの生活では知り得ないほど多くの人生を見ることになる。 先日起きた愛知県のバイク事故。国内で年間6000人の死者を出す交通事故の1つにすぎないのだが、事故による死亡者が「はてなダイアリー」のユーザーで、「Twitter」でも広く発言していた方だった。このため、多くのネットユーザーが関心を持ったようだ。 実は彼は、私にとっても「Twitter」から“半径ワンクリック以内”の知人だった。最近、彼の発言を見かけないと思ったら、お亡くなりになっていたと知って驚いた。 そう言えば私の「マイミク(mixiの友人)」にも1人、すでに亡くなった知人がいる。リアルでお会いしたことはないが、パソコン通信時代を含めると10年以上の交流がある方だった。死因はがん。病状は本人も理解し、死も覚悟し
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く