私がよく行くとんかつ屋がある。最初に入ったきっかけは近所でよさそうな定食屋を探していた時に、たまたま通りかかったことだった。 「いらっしゃいませ」と笑顔で迎えてくれるのは人のよさそうなご主人。一番手前のカウンターにかけ、とんかつ定食を注文し、新聞を読みつつ待つ。店内には常連さんっぽい親子がカウンターに、仕事終わりであろう2人組がテーブル席に腰掛けていた。お店はご主人一人で回されている。親子の方はヒレカツを頼んでいるようだ。色づきが良く美味しそうである。 「はいどうぞ」と持って来ていただいたとんかつ、これが美味しい。普通のとんかつ。ちょうど一口大に切れていて、噛むとちょうど良い柔らかさに。柔すぎもせず、硬すぎもせず、旨味が出てくる。衣の硬さもちょうどよく、ロースの柔らかみと相まってサクサクとした感触を楽しみながら食べる。その勢いでキャベツの千切りを頬張る。そしてご飯をいただく。旨い。ご飯もツ