人手不足があらゆる業界で顕在化している。さらにグローバル化への対応、ダイバーシティーの推進と、経営を取り巻く重要課題は、人に関わるものばかり。持ち得る限りの「人財」を総動員しなければ、成長はない。 人事は経営の根幹。経営者と現場をつなぐ、新たな人材マネジメントが生まれている。 ここでは日経ビジネス6月23日号の特集「人事部こそリストラ」と連動し、人事部門の役割を再構築し、企業の組織改革や風土改革などにつなげている事例を取り上げる。 「経営者の戦略方針を現場に浸透させるため、人事部では何をしていますか」 重電世界大手の米ゼネラル・エレクトリック(GE)日本法人の木下達夫・人事部長がそう問いかける相手は、IT(情報技術)ベンチャー企業の人事担当者や経営者ら。彼らと意見交換をするのが、木下部長にとってこのところ大事な業務の一つになっている。 全世界に30万人の社員を抱え、約150カ国で事業を展開