メディアの歴史はキュレーションの歴史 前回のコラムでは、テクノロジーが情報発信に重きを置いて進化してきたことへの揺り戻しとして、情報受信の立場に立った「キュレーション」に注目が集まっているという話をしました。では、テクノロジーが情報受信の進化へと模索を始めた今、情報の媒介者である「メディア」はどう変わっていくのか。そのことについて今回は考えてみたいと思います。 メディアの未来を考えるためにも、まずはその歴史を(ものすごく)ざっくりと振り返ってみます。 メディアの歴史はキュレーションの歴史でもあります。かつて社会が「村」のような少数のコミュニティだったころ、メディアとして機能していたのは、一部の「噂好き」や「情報通」だったと思います。「長老の家に子供ができたらしい」「どこに行けば獲物が見つけやすい」など、村社会に必要な情報の媒介者を担う人物。ごく少数のコミュニティでは、流通する情報量も少ない