寺坂:正直に言うと想定外という感じがしています。アベノミクスが始まった時は消費者物価の上昇率が2%に達するのは無理だというのが大方の見方でしたが、蓋を開けてみると1%を上回り、生活実感に近いと言われている持ち家の家賃を除く部分は2%に届いている。地域別に見ると、2%を超えている都道府県もあります。 円安でガソリンや電力料金が上昇しているというイメージはありましたが、意外だったのはテレビやパソコンなどの教養娯楽耐久財です。ずっと消費者物価の押し下げに寄与してきましたが、マイナスからプラスに転換しています。低迷していたサービス価格にも動きが出てきました。リーマンショック前の比較的、景気が良いときにも物価は上がっていましたが、その時は外的な要因でガソリンや食料品が上がっていました。今回の上昇は明らかに様相が変わっています。 円安による押し上げがあり、それが徐々に広がってきたということですか。 寺