昨年12月18日、京都にある王将フードサービスの本社に着いた頃、ひらひらと粉雪が舞い始めた。「餃子の王将」で知られる同社の大東隆行前社長がこの場所で凶弾に倒れたのは、1年前の2013年12月19日。突然、カリスマ経営者の後を継ぐことになった渡辺直人社長にとって、この1年間の重圧は想像を絶するものだったに違いない。 王将は昨年10月、主力商品の餃子とラーメンの主要食材をすべて国内産に切り替えた。新聞記事では「王将、円安影響などで国内産に調達切り替え」という簡単な記事で終わる内容かもしれない。だが、その背後では社内から調達先にいたるまで、知られざる努力が繰り広げられていた。 「大東前社長がいらっしゃったら、『アホなこというなよ!』と言われたと思う」。渡辺社長は昨年10月に実施した、看板メニューである餃子とラーメンの主要食材をすべて国産化したことについて、こう振り返った。 王将の餃子やラーメンは