AR(拡張現実)技術を活用し、現実の世界に重なるようにポケモンが現れる――スマートフォン向けゲーム「Pokemon GO」に世界中が熱狂している。7月6日に米国などで先行公開(iOS/Android)されると、Android版のアクティブユーザー(DAU)は3日間で600万人を突破。12日には2000万人超と、米国で歴代最多の記録を塗り替えた。 こうしたAR技術の研究は、つい最近始まったものではない。これほど一般に浸透するまでには20年来の研究の歴史があった。1999年、加藤博一氏(奈良先端科学技術大学院大学教授)が、白黒のマーカーを使ったARアプリを開発できる「ARToolKit」を発表すると、さまざまなユーザーがARアプリを作成・公開。2007年、ニコニコ動画に投稿された動画「ARToolKitで初音ミク」などが話題を呼んだ。08年にiPhoneが国内で発売されると、そのカメラ機能を生