早寝早起きの生活を送るようになってから、もう随分たつ。 早いときには夜七時に寝てしまうし、どんなに頑張っても、夜九時頃には眠くて身体を起こしていられなくなる。 何時に寝ても、朝はきっちり五時に起きる身体になってしまった。 加齢によるものだろう、としか言いようがない。気づいたら、そうなっていた。 この生活リズムに特別の不満はない。が、時々ふと、郷愁のような想いにとらわれる。 かつて、私は自分でも呆れ返るほどの、夜行性の人間だった。 起床は早くても午後六時で、ひどい時は、午後八時を過ぎることもあった。 目覚めたときはしっとりと冷えはじめた夜の暗闇のなか。それが当たり前だった。 起床からしばらくして、日付が変わるころになると、全ての音がさらに遠く、低く聴こえるようになる。 これは、夜行性の人間にしかわからない、深夜の変化だ。 街からほぼ音が消え、私の部屋も、私の思う人々が眠る遠い家々も、少しだけ