未開業のまま廃止された赤村の旧国鉄油須原(ゆすばる)線を走る「赤村トロッコ油須原線」が運行開始から7年を迎え、快走を続けている。ボランティアによる手弁当の運営ながら県外からも鉄道ファンや親子連れの観光客を集め、乗客は1万人を突破した。 同線は開業されないまま廃止された「幻の路線」。村などが03年10月、廃線跡にレールを敷いて岐阜県・神岡鉱山から中古トロッコを譲り受け、運行を始めた。地元住民らでつくる赤村トロッコの会(大場康正会長、35人)が運営。原則毎月第2日曜に平成筑豊鉄道赤駅前から野原越トンネル(631メートル)内まで約1・7キロを時速約15キロ、約25分で往復する。 9日も午前10時から運行。好天の下、遠くは石川県や北九州市から家族連れらが訪れた。行橋市西宮市の竹中健悟さん(45)に連れられたおいの安部岳斗君(7)、悠輝君(5)は「真っ暗なトンネルにコウモリがいた」「山にはキジがいた