野球賭博に絡み大関・琴光喜関(34)=佐渡ケ嶽部屋=から約350万円を脅し取ったとして、警視庁が恐喝容疑で逮捕状を取った元力士(38)。引退後は風俗店の経営にかかわり、自ら暴力団組員を名乗るなど、次第に裏社会とかかわるようになっていったという。恐喝容疑が発覚後、母親に「報道されていることは事実と違う」と電話で伝えたまま行方が分からなくなっている。警視庁は元力士の行方を追い、恐喝事件の全容解明を目指す。【伊澤拓也、太田誠一】 元力士は大阪府出身。父親が約30年前に開いた相撲道場は、相撲界では「ボランティアの名門道場」として知られ、大阪場所中に有名力士が訪問するほどだった。元力士と阿武松(おうのまつ)部屋に所属する弟の現役力士(34)も父の下で相撲を学んだ。1日4時間の厳しい練習で、学生相撲や角界に力士を輩出した。今回の賭博問題で、野球賭博をしていたことを認めた幕内・豪栄道関(24)=境川部屋