枝野幸男経済産業相(47)が東京電力に「経営権を渡しなさい」と迫り、東電の西沢俊夫社長(60)が「民間のままが望ましい」と粘っている。国家権力による強制的改革か、自主的改革かという攻防だが、東電の分が悪いと私は思う。 興味深い逸話がある。 日経新聞1月22日朝刊(東京版)の1面トップは「スマートメーター/東電、1700万世帯に導入/ほぼ全家庭に」というニュースだった。 スマートメーター(smartmeter)はデジタル式の電力メーターである。使用量の累計を示すだけの従来のアナログ式と違い、どれくらい使っているか、利用者は常にチェックし、制御できる。検針員もいらない。省エネと経営コスト削減の切り札になると言われている。 その導入計画は、東電が来月まとめる総合特別事業計画の目玉の一つである。注目の論点はスマートメーターをどこから調達するかだった。 東電の原案は系列企業から1台2万~3万円の特注