フランスの原子力大手アレバは1日の声明で、同社の2011年の収支が約24億ユーロ(約2600億円)の大幅な赤字になったと発表した。同年3月の東京電力福島第1原発事故で、ドイツが脱原発にかじを切るなど世界的に民生用原子力の需要が低下したことや、買収したウラン鉱床の損失が響いた。 01年設立の同社は、10年は約8億8千万ユーロの黒字だった。収支の急速悪化は、福島事故のほかロベルジョン前最高経営責任者(CEO)の時代に約20億ユーロを支払って獲得したアフリカのウラン鉱床の価値が現在、約5分の1になっていることも原因としている。 アレバは、事故を起こした福島第1原発に汚染水処理装置を提供。事故前は、日本の各電力会社の委託を受けてプルサーマル発電用にプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を製造するなど日本との関わりも深い。(共同)