JR東日本(東日本旅客鉄道)の最大労働組合「東日本旅客鉄道労働組合」(JR東労組、以下労組)に異変が起きている。今年2月中旬以降、この1カ月余りの間に約2万8000人もの組合員が脱退しているというのだ。今年1月時点では約4万6000人(社員の約8割が加入)もいた組合員が半減以下になるという、かつてない異常事態だ。 昨年、30周年を迎えたJR東日本。ほぼ同時期に発足した労組。30年を節目に労使関係は大きな転換期を迎えている。 スト権行使の予告がきっかけ 大量脱退のきっかけとなったのは、労組による「スト権行使」の予告だ。労組関係者によると、昨年2月の臨時大会でスト権を確立した労組は、今年の春闘では「格差ベアの永久根絶」を求め、2月19日にスト権行使を予告。これは、本来の業務以外の研修などに参加しない「非協力スト」の予告だったが、要求が認められない場合は指名された組合員が業務を拒否する「指名スト