「国対」と書いて、コクタイと読む。 国会に提出される予算案や法案に対する戦略を練り、審議や採決の日程を他党と折衝し、所属議員たちを論戦の場に送り込むため、各政党がそれぞれ党内に設けている「国会対策委員会」。永田町の人々はその組織のことを、当たり前の顔をして「コクタイ」と呼んでいる。 「寝業師」や「知謀家」とも 各党のリーダーは代々、与野党攻防の司令塔となる国対委員長のポストに経験豊富なベテラン政治家を据えてきた。人はよく彼らのことを「寝業師」や「知謀家」と触れ回る。 国会開会中、各党の国対幹部は早朝から国会議事堂内の小部屋に籠って党内の意見を調整し、他党と正論をぶつけ合う。夜は呉越同舟で酒を酌み交わし、お互いの腹の中を探り合いながら、知恵比べを演じている。 かつての55年体制下では、高級料亭での賭け麻雀や「袖の下」によって与党が野党を懐柔し、重要な局面で折り合いをつけるような因習もあった。