19日未明に起きた、イージス艦と漁船の衝突事件は、いやな事件ばかりが続くこのところにあっても、特に気分を暗く沈ませるニュースだった。 私はこの事件に関するテレビ報道を全く見ておらず、新聞社のサイトを通じて事件の把握につとめたが、知れば知るほど、暗い気分をさらに暗くさせる情報ばかりだった。 見張りを怠っていたのか、イージス艦が漁船の存在になかなか気づかなかったこともさることながら、産経新聞が 「イージス艦側に回避義務か 右舷前方に傷確認」 と報じ、自衛艦の過失であったことを指摘した衝撃は大きかった。さすがの産経新聞も、この事件では「漁船の自己責任」などという無責任な報道はしない。 しかし、20日の朝日新聞社説は、奥歯にものが挟まったような書き方だ。自衛艦は漁船の側面に直角に近い角度で衝突したようだ。衝突までの経緯によって、どちらにより大きな回避義務があったかが決まるが、自衛艦側に責任がなかっ