HEADZ主宰者・佐々木敦が、ここ最近急激にハマっているというアイドルについて語るロングインタビューの第3回。努力がないがしろにされがちな現代社会にアイドルが与える希望や、かつては侮蔑の存在ですらあったというドルヲタに対する気付きなど、今回も佐々木が怒涛のテンションで語る。 取材・文 / 南波一海 インタビュー撮影 / 臼杵成晃 イラスト / ナカG メカニズムをわかったうえで感動できるのが重要──歌唱という点でいうと、佐々木さんが何度も言及している、ゆるめるモ!はまた少し違う視点で聴いてるんじゃないですか? ゆるめるモ!に関しては、とにかく初期の名曲「逃げろ!!」がめちゃくちゃ好きで。日本社会って特にある時期からやたらと「逃げちゃダメだ!!」ってメッセージが発されるようになったじゃない。それ以前に浅田彰の「逃走論」的な、経済的繁栄を背景にした余裕しゃくしゃくの“逃走”が顕揚されてたことの