平坂 寛 「五感を通じて生物を知る」をモットーに各地で珍生物を捕獲しているライター。 生物の面白さを人々に伝え、深く学ぶきっかけとなる文章を書くことを目指す。 著書:「外来魚のレシピ〜捕って、さばいて、食ってみた〜」「深海魚のレシピ〜釣って、拾って、食ってみた〜」(ともに地人書館) 「喰ったらヤバいいきもの」(主婦と生活社) これはある夏の晩、僕が沖縄の離島で人知れず奮闘した、すごく地味な、けれど一生忘れることのないであろう捕物劇の記録である。 ゆるく気ままなバカンス……のつもりだった 2016年7月某日、僕は仕事で沖縄本島を訪れていた。 5日間に渡る炎天下の激務は、肉体と精神を容赦なく摩耗させた。早く家に帰って休みたい。 が、しかし。貧乏性な僕には眼の前に亜熱帯の自然が広がっているのに、ビジネスだけこなして帰路につくというのはあまりにもったいなく思えた。 …一日だけでも、一人沖縄に残って