年末恒例の連載「取材ノートから」は、スポーツ担当記者が1年間の取材を振り返る。第1回はサッカー。10年ぶりにアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を制した浦和レッズのサポーターに迫った。 ◇ ◇ ■先月のACL決勝 アルヒラル(サウジアラビア)との決勝第2戦では埼玉スタジアムのほぼ360度を使ったコレオグラフィー(人文字、以下コレオ)が満員の観衆によって作られ、海外でも話題になった。そこには、米スポーツ専門テレビ局FOXスポーツによる「世界の筋金入りサポーターベスト5」にも名を連ねる彼らの「力」があった。 水面を伝う波紋のように広がっていった。優勝の歓喜に包まれるスタジアムで、合図もなしにシートを掲げるサポーターの手が続々と上がる。ゴール裏で自然発生したその波は、約200メートルも先の反対側スタンド最上階席まで行き渡った。やや時間をかけ、試合前と同じエンブレムとトロフィー、2つの星が