もう知らない人も増えたことだろう。昔、Jリーグにはもう1つクラブがあった。 1998年、日本のワールドカップ初出場の影でJリーグ誕生から続いていた「バブル」は急速に終わりを迎えた。「オリジナル10」と呼ばれるJリーグ創設時のメンバーで、横浜と九州全域をホームタウンとした横浜フリューゲルスが活動を終了することになったのだ。 フリューゲルスは横浜マリノスが吸収合併し、「横浜F・マリノス」が誕生する。だがダービーで争ってきた2チームの合併に発表当時は大規模なフリューゲルス存続運動が起きた。クラブ関係者はスポンサー探しにやっきになったが、一向に救世主は現れない。そんな中、選手たちは街頭で署名活動を行い、試合終了後には「フリューゲルスを助けて!」と書いた横断幕を持って場内を歩いたりした。 状況に進展が見られないまま、リーグ戦は終りを告げる。残っているのは天皇杯だけ。ノックアウト方式のため、負けるとフ