大関稀勢の里(30=田子ノ浦)と前頭松鳳山(32=二所ノ関)の一番で“珍裁き”があった。 相撲は松鳳山が右からハズ押しで攻め、稀勢の里の左を封じ土俵際に追い詰めた。最後は稀勢の里が回り込み、左から逆転の突き落とし。稀勢の里の足は完全に残っており、松鳳山の体が先に落ちたのは明白だった。 ところが行司木村玉治郎(56=立浪)の軍配は、西の松鳳山に上がった。その後、間を置いて慌てたしぐさで玉治郎は、軍配を反対の東に上げ直す「回しうちわ」で稀勢の里に向けた。正面の友綱審判長(元関脇魁輝)に頭を下げながらの、完全な勘違いによるものだった。 同審判長は念のため審判員を土俵に集め、物言いがついた時のように協議の形をとった。ただ玉治郎の完全な勘違いのため、わずかの時間で協議は終わった。さあ、困ったのが審判長。完全な物言いなら説明のしようもあるが、このような状況で場内説明をするのは極めてまれなこと。説明も四
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