「日本の空気感染対策は、はっきり言って不十分です」 創業9年目のベンチャー、エネフォレスト木原寿彦代表は語気を強めた。韓国で猛威をふるうMERS(中東呼吸器症候群)の話だ。SARS(重症急性呼吸器症候群)と比べて国内の報道は加熱していないが、発症時の致死率は10%を超えている。 厚生労働省によれば感染経路はいまだ不透明。院内感染は飛沫感染や接触感染が原因とされる意見がある中、先月には英ロンドン大学のピーター・ピオット教授が「空気感染する可能性がある」と指摘したという報道もあった。 そんな中、アメリカなどでは細菌やウイルスの空気感染対策が当たり前。一方、「日本は対策が遅れているんですよ」と木原代表は言う。 「空気感染対策について、厚生労働省のガイドラインは『結核菌・麻疹ウイルス・水痘ウイルスなど』と記載があるだけ。でも実際は、インフルエンザやノロウイルスも『空気感染の可能性がある』と多くの関