訴訟大国アメリカの異常性を示す典型的なエピソードが、この「電子レンジ猫訴訟」(猫チン事件)である。 事の起こりは、ひとりの老婦人が、子供たちから一台の電子レンジをプレゼントされたことだった。彼女はある雨の日、外に出てずぶ濡れになってしまった愛猫を、電子レンジで乾かすことを思いついき、実行に移した。そして、当然の結果として、彼女が再び電子レンジのふたを開けたとき、気の毒な猫はすっかり内側から調理されていたのだ。 このことにショックを受けた老婦人は、あろうことか、電子レンジのメーカーを相手に訴訟を起こす。「猫が死んでしまったのは、電子レンジの取扱説明書に『動物を入れないでください』という注意書きがなかったせいだ」というのだ。 そして、驚くべきことに、裁判所はこの常識では考えられないいいがかりに近い訴えを認め、電子レンジのメーカーに、多額の賠償金の支払いを命じたのである!(現在、電子レンジの取扱