後輩を立てる性分が、駆け引きの材料になった。前半32分。浦和MF阿部勇樹(34)は、正面左寄りからの直接FKの場面で、左利きのMF柏木とともにキッカーの位置に立った。自分でボールをセットしたが、すぐには蹴らず、柏木に耳打ちをする。「ボールをまたいで」。柏木にキックフェイントをさせて、自ら右足を振り抜く。ゴール左上隅、完璧なコースを射抜いた。 10年4月3日湘南戦以来のFK弾。阿部は「めったに蹴らない人が蹴るから決まった」と照れ笑いした。柏木は「耳打ちされた瞬間、壁がずれたかも」と証言。柏MF秋野も「柏木さんが中を見ていたので、クロスかと…」と振り返った。 右足の球威、精度は国内屈指。06年まで在籍した千葉ではFKでリーグ6得点し、04年アテネ五輪に出場した当時は「アベッカム」と呼ばれたほどだ。しかしキャリアを重ねるにつれ、蹴りたい意欲を持つ後輩に譲るようになった。 阿部がレスターから浦和に
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