国慶節(中国の建国記念日)の連休中、河南省鄭州(チョンチョウ)市の工場で発生した「数千人規模のストライキ」は世界中の注目を集めた。そこはEMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手の富士康科技(フォックスコン)の工場であり、米アップルのスマートフォン「iPhone5」の主力生産拠点だったからだ。 富士康は台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の中国生産子会社で、iPhoneをはじめ多数のアップル製品の製造を受託。かつては広東省深圳(シェンツェ)市の巨大工場で集中生産していたが、受注急増と労働力不足に対処するため、2年前から河南省、四川省、山西省など中国の内陸部に矢継ぎ早に進出した。ところが、内陸の新工場では爆発事故や従業員の暴動などトラブルが相次いでおり、富士康とアップルを悩ませている。