設計監理:大野正博さん(写真をクリック) 一昔前までは建築家に設計を依頼する方というのは、ほぼ例外なく会社経営者や医者、弁護士といった裕福な方でした。 建物の予算も3000万円を下るものはほとんどなく、平均が6~7千万円といったところではなかったかと思います。 建築家の家が世間に認知されるにつれて、建築家の効能は高級住宅だけではなく、実は不整形地などに建てる場合は、ハウスメーカーよりも建築家の方が安く建てられるということが広まっていきます。 2000年前後に起こった建築家ブームというのは、半分は個性の多様化によるものですが、半分はこの「実は安く建てられる」ということが知れ渡ったことが原因なのではないかと思います。 そして、さらにメディアの先導によって下限競争のようなものがおき、ほかの事は抜きに、とにかく安いことに価値観を置いた住宅の概念が生まれ、いつしか「ローコスト住宅」という言葉が一般化