福島県沿岸部でパート従業員の求人難が続いている。福島第1原発事故に伴う域外避難で女性の人数自体が減っているほか、東京電力から賠償金が出ていることに伴う就業意欲の低下も要因として指摘されている。人手不足で営業時間短縮に追い込まれる小売業が相次いでおり、地域経済への悪影響が懸念されている。(野内貴史) 福島県広野町の和食料理店「みかさ」は現在、営業を平日のランチ時間に限っている。パートが集まらず、休日、夜間は配膳係の人の手当てができないためだ。 店主の坂本賢一さん(58)は1年ほど前、公共職業安定所を通し求人を募った。時給は1000円。原発事故前より200~300円高く設定したが、60代の女性1人しか応募がなかった。今も採用には至っていない。 坂本さんは「広野の線量は比較的低いのに原発まで二十数キロというイメージが悪い」とぼやく。 いわき市を除く県沿岸部(相双地域)の有効求人倍率の推移