憲法改正議論をめぐる環境は、トランプ次期米大統領の出現によって大いに様相が変わりました。あるいは、中国や韓国、北朝鮮の大変貌によって。 憲法9条をめぐる従来ののんきな「神学論争」は、冷戦構造下の安心した国民の論争だったんじゃないか。自主憲法制定論者にしても、再軍備論者にしてもね、戦後の中曽根康弘元首相らが(憲法改正を)言い出したときほど、もう軽くそんなことを言えるような時代ではない。日本の右翼と左翼は、「核の傘」など日米同盟の防衛が確保されているという安心感のもと、わりと「温室」で論争をやっていたんじゃないかと思うんですよね。 私は「護憲的な改憲論」を唱えてきました。かつて「自衛隊は暴力装置」と話して産経新聞にもボロンチョにたたかれたけど、自衛隊をきちんと憲法上に位置付けて、憲法がコントロールする規定を設けるべきだというのが私の論理ですよ。 憲法には防衛に関する諸原則を書き込んでもいいし、