ユダヤ人が金持ちであり、世界を牛耳っているという固定観念は日本でもさほど珍しいものではないだろう。だが、そもそもこの無根拠な言説はどこから来たのか? そして、なぜいまふたたび問題になっているのか? 米大手ユダヤ系メディア「フォワード」が探る。 この記事は米大手ユダヤ系報道機関「フォワード」で最初に掲載されたものです。フォワードの無料ニュースレター登録はこちら。 あの古い冗談をご存じだろう。あるユダヤ人がナチスの新聞を読んでいる。友人にその理由を聞かれた当人はこんなふうに答える。 「普通の新聞を読むと、お先真っ暗で、反ユダヤ主義ばかりさ。だけどナチスの新聞を読むと、われらユダヤ人が大活躍なんだよ! ハリウッドは牛耳るわ、メディアは支配するわ、みんな金持ちの医者か弁護士か銀行員だし」 もちろん、それはどれも反ユダヤ主義的な陰謀論であり、ゆえに冗談なのだ。だが、そこには一片の真実がある。ユダヤ人