「『南京大虐殺』という戦時プロパガンダが行われた経緯を解明する新たな糸口になるかもしれない」。発売中の『別冊正論』15号(「中国共産党 野望と謀略の90年」)の編集を終え、そんな期待が膨らんできました。中国の国民党が主導したと考えられてきた「大虐殺」の宣伝に、中国共産党またはソ連が大きく関与していた可能性が、論文筆者たちの指摘で浮かび上がってきたのです。 虚実不明の「南京大虐殺」を初めて世に紹介したのは、英マンチェスター・ガーディアン紙特派員、ティンパーリーが1938(昭和13)年に刊行した『戦争とは何か』です。ティンパーリーは当時、国民党中央宣伝部顧問で、資金提供も受けていたことが北村稔・立命館大教授らの研究で判明しています。同著の出版をはじめとする「大虐殺」宣伝は、世界中で反日世論を高める戦時プロパガンダだったのです。 『別冊正論』15号では、3人の筆者が、このプロパガンダへの中国共産