10月24日付コメルサント紙で、国営イタル・タス通信社のゴロブニン支局長が、「日本側が歯舞群島、色丹島の2島返還と国後島、択捉島の帰属問題に関する継続協議」という記事を掲載した裏には、クレムリンが日本の北方領土戦略を再確認しておこうという意図がある、と筆者は見ている。 過去1年に日本側から、「バナナのたたき売り」のように領土の数が変動する観測気球があげられた。「面積2分割(歯舞群島、色丹島、国後島と択捉島の一部)」とか「(択捉島を除く)3島返還」である。実は、ロシアの政治エリートは、原理原則を重視する習性をもっているので、四島返還を崩すようなシグナルが日本側から出されたことに奇怪な感じをもっていた。現時点で、北方領土問題についてロシアは譲歩していないのに、日本側から原理原則を崩したようなシグナルがでる。この過程で明らかに日本外務省が関与しているのに、公式にそのことを認めようとしない。「