日本製鉄と宝山鋼鉄との合併解消は米国向けのシグナル 去る7月23日、日本製鉄は世界最大手、中国宝武鋼鉄集団傘下となる宝山鋼鉄との合弁事業となる宝鋼日鉄自動車鋼板からの撤退を発表した。同社は2004年設立で日本製鉄が半数50%の株式を保有するが、新聞報道によれば所有株を約380億円で宝山に売却するようだ。合弁の解消で日本製鉄は中国での生産能力の7割を失う。つまり、事実上、日本製鉄は中国市場から明確に軸足を外してみせた、という話だ。 この決断の理由として挙げられていたのは、中国政府の国家戦略的なEVシフトなども背景に、近年、彼の地で急速にシェアを落とし、苦戦する日系自動車各社の状況や中国鉄鋼メーカの自動車向け鋼板領域での競争力の向上などを踏まえ、ここからの成長は困難であると日本製鉄が見切りをつけたからだ、とその背景を各紙が伝えていた。 しかし、微かに理由を匂わす記事もあったが、この決断の背景に